FXには、投資家が元手以上の資金の損失を負わないようにする「ロスカット」という仕組みがあります。
ロスカットは一定の証拠金維持率を下回った場合に執行され、その時点で損失での決済が確定されてしまいます。
FXにおいて「ロスカット=負け確定」と言う意味もあり、FX投資家にとってロスカットは避けていきたいものです。
そういったことにならないように、まずはFXのロスカットについて理解を深めていきましょう。
ここでは、FXのロスカットとは何か、その仕組みについて解説。
その対処法についてご紹介していきます!
この記事の目次
FXのロスカットとは?
FXのロスカットとは、一定の「証拠金維持率」を保てなくなった場合に行われる強制決済のことです。
一定以上の損失を未然に防ぐために、FXトレーダーの意志と関係なく強制的に決済が行われてしまいます。
ロスカットに大きく関係している証拠金維持率とは、自分が投資した「証拠金」が現在のレートで決済した場合どのくらい維持できているかの割合のこと。
以下が証拠金維持率を求める計算式となります。
証拠金維持率(%)= 純資産÷必要証拠金×100%b
例えば50,000円の証拠金でレバレッジ1倍でトレードを行います。
100円=1ドルの場合に1万ドル買い、98円=1ドルになった場合、証拠金維持率はいくつになるでしょう?
この場合、
(98-100)×10,000ドル=20,000円の損失
50,000円=20,000円=現在の純資産30.000円
証拠金維持率(%)= 30.000円÷50.000円×100
という計算が行われ、証拠金維持率は60%になります。
この証拠金維持率が、FX会社の規定率を下回った場合、即座にロスカットが行われてしまいます。
つまり、先程の例で証拠金維持率60%未満でロスカットされてしまうFX会社であれば
50,000円×60%=30,000円 ロスカットルールの60%以下!
50,000円-30,000円=20,000円 20,000円の損の状態でロスカット!
と、20,000円の損が出ている状態で強制的にロスカットが行われてしまうのです!
このように、証拠金の大半は失うことになりますが、ロスカットは証拠金以上の損失を出さなくて済みます。
このロスカットですが、会社によって基準値やタイミングが異なってきます。
FX会社 | ロスカット基準 |
---|---|
ヒロセ通商 | 証拠金維持率が100%未満になった場合 |
SBI FXトレード | 証拠金維持率が50%未満になった場合 |
DMM FX | 証拠金維持率が50%を割り込んだ時 |
GMOクリック証券 | 証拠金維持率が50%未満の場合 |
トレイダーズ証券 | 証拠金維持率が100%以下になった場合 |
YJFX! | 証拠金維持率が50%を下回った場合 |
FX口座を開設する際には、開設したい会社のロスカットルールがどのくらいなのか確認しておきましょう。
特に、複数のFX会社での口座開設を考えている人は、それぞれのFX会社のロスカットルールを混乱させないように注意してください!
証拠金以上の借金作らずに済む仕組み
FXのロスカットは、投資資金以上のマイナスを避けることができる仕組みです。
とはいえ、本当に借金を作らずに済むのでしょうか?
実は、FXは急激にレートが変動してしまった場合などに関しては、ロスカットの水準を超えて決済されることもあります。
そのため、証拠金以上の損失が発生する可能性も。
こういったことが起こるタイミングとしては、FXの取引が行われない土日に為替レートが大きく影響した場合など。
金曜から月曜の間で大きく為替が動いてしまった場合には、損失分も大きくなり借金になることもあるので注意が必要です。
中長期のトレードスタイルの方には難しいかもしれませんが、マイナスのリスクがあるポジションは、翌週に持ち越さないようにしましょう。
レバレッジと強制ロスカットの関係
FXは少ない資金で大きな取引ができるというのが魅力でもあります。
しかし、ロスカットが起きる原因として「少ない資金で、高いレバレッジをかけている」というのが理由にあげられます。
同じ証拠金でも、高いレバレッジをかければその分、為替が少ししか動いてない場合でも損失が大きくなります。
FXトレードで「早く稼ぎたい」や「多く稼ぎたい」などという焦りの気持ちでレバレッジを高くかけたとしても、運が良ければ資金を増やすことが出来ますが、逆に悪ければロスカットになり損失が大きくなってしまいます。
どちらにしろ、安定したFXトレードを行うことはできません。
初心者のうちは、焦らないで安定したレバレッジをこころがけましょう。
まずは2~3倍でトレードを行いロスカットが起きるようなリスクの高いFX取引はしないようにしてください。
強制的なロスカットを未然に防ぐためには
ロスカットが起きるリスクなどついて説明してきました。
ロスカットが起きる原因はシンプルなので、あらかじめ対策しておけば未然に防ぐことができます。
最後に、FXのロスカットを防ぐにはどのようなことを意識すれば良いのか説明していきます。
早めに損切りを行う
ロスカットが行われる場合はあくまで「これ以上は資金が増えない」という状態です。
FXでロスカットが執行されてしまうと、資金の大半が無くなってしまいます。
FX会社のロスカットルールが30%以下であれば30%以下しか手元に残らないのです。
しかし、ロスカットが行われる前に自分で判断し決済を行えば30%以上の資金が残ることになります。
これを、FXでは「損切り」といいます。
FX初心者のうちは、「もしかして相場が良くなるかも」などという希望から損切りに踏み出せないことも。
自らの損を決定させるのは人間の心理上簡単ではないのですが、いざというときにはしっかり対応できるように「損切り」のルールを自分のなかで決めておくのも大事です。
少ない取引単位でトレードする
FX業者のなかには、1,000通貨単位の低資金で取引を行えるFX会社があります。
このようなFX会社を選ぶことで、万が一損失が出てロスカットになってしまった場合でも、損失額も少なく済みます。
FX初心者の方でしたら、まずは少ない通貨単位でリスクヘッジをしながら取引を行っていきましょう。
レバレッジはかけすぎないで余裕のある取引をする
前の題でも解説しましたが、高いレバレッジは高リターン高リスクのため、少し相場変動しただけで、大きな損失がでてしまう恐れがあります。
FX初心者のうちはレバレッジを2~3倍に設定し、証拠金に余裕をもたせてロスカットのリスクを低くしましょう。
安定したトレードの基盤づくりを!
FXの強制ロスカットについて解説してきました。
FXは少額から大きな投資ができるのが魅力でもあります。
しかし、その反面で大きな損失が起きる可能性も。
FX投資で成功するために大事なことは、「安定した取引」を行うことです。
そのためには、ロスカットされないようなトレードスタイルを確立させ、レバレッジなどや損切りなど全体的に気を配っていくようにしましょう。
リスクの高いトレードを行ってしまわないように、自分のトレードの基盤をしっかり作りたいですよね!
FXトレードの基盤づくりには、FXの基礎についてしっかり勉強することが必要。
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